寸又三山入門の山

【山 名】沢口山(1424.8m)
【山行日】1999年10月3日(日)
【天 気】晴れ
【同行者】Fさん、Nさん
【行程】寸又峡駐車場 9:55→10:00 登山口→11:30 木馬の段→11:50 富士見平→12:05 鹿のヌタ場→12:20 沢口山山頂 13:35→14:00 富士見平→14:15 木馬の段→15:10 登山口


 寸又峡温泉街の入口にある大駐車場に車を停める.温泉街を5分ほど行くと指導標が建つ沢口山登山口に着く.手入れの行き届いた杉林の中の急坂をジグザグに登る。しばらくして、雑木林に変り、登り始めて30分ほどで尾根に出る。それまでまったくなかた風が、火照った体を涼めてくれる。

 自然林の尾根通しの道からは右手の樹間に前黒法師岳が見え隠れする。登山道には栗のイガが無数に落ちている。もちろん中身があるのは希だ。テレビの共同アンテナを過ぎ、しばらくすると二重山稜となる。木馬の段(*)と呼ばれる所だ。このあたりの踏み跡はやや薄いが、赤ペンキや木に打ち付けた小さな道標などが要所にあり不安はない。

沢口山々頂より南ア深南部を望む

 樹林帯の中の平坦地に「富士見平」と書かれた立派な標識がある。展望はないものの、いかにも鹿や猪が跋扈するにふさわしい深い森の中を思わせる風情はまことに味わい深い。それから、15分ほどで樹林の中に鹿のヌタ場が現れる。ヌタ場を3/4周ほど回り込み、尾根道に戻る。富士見平からこの辺りの森閑とした雰囲気は、幽玄な森をさまよい歩く気分に誘われ、「また来よう」という気をおこさせる。
 山頂への急坂を登ること約10分、山犬の段への分岐を過ぎると頂上はすぐだった。

 頂上には途中で私たちを追い抜いた単独行の男性が休んでいた。森町から来たそうだ。普段は奥さんと二人で歩くのだが、奥さんが夏に体調を崩し、今日は寸又峡温泉で待っているとのこと。
 頂上は北から東の方面が間伐され展望が楽しめる。真東の七ツ峰から左へ目を移すと大無限山、その左、間近に大きく朝日岳がそびえる。北の方向には光岳の南斜面が陽に照らされ明るく緑色に輝いて見える。その右に南ア南部の山々が徐々に姿を表す。いつまで見ていても飽きない景色だ。富士山は最後まで見えなかったものの、徐々に聖岳が姿を現し、その右には大根沢山の肩越しに上河内岳の頂も見える。

アクセスカウンター

鹿のヌタ場

 単独行の男性も立ち去りがたい様子であり、我々も1時間15分も山頂にいたのだが、そんな長い時間が過ぎたとはとても思えなかった。
 下山は来た道を引き返し、寸又峡温泉に戻った。温泉にことかかなかったのは言うまでもない。

*:木馬(きんま)→山から材木を運び出す道具、ソリの一種。

沢口山山頂