山 名 御正体山
山行日 1999年9月5日
天 候 晴れ時々曇り
同行者 単独行
歩行時間 4時間25分(山頂休憩除く)
コース 山伏峠⇔中岳⇔前岳⇔御正体山
行 程      アクセスカウンター
場 所 往路発 復路発
山伏峠 8:11 着13:28
石割山分岐 8:55 13:02
送電線鉄塔 9:07 12:46
中岳 9:30 12:08
奥岳 9:57 -
御正体山 着10:36 11:28

【御正体山】静かな山で単独行を満喫

御正体山々頂

 東海自然歩道を平野から西丹沢まで歩いたとき、とても重量感のある山が目に付いた。御正体山である。以来、いつかはと思ってきた。夏の間、白馬、富士山、八ヶ岳とにぎやかな山が続いたので、この機会に、静かな山に行くことにした。

 山伏トンネル東側の山中湖高原ホテル跡地に8時頃着く。身支度を整え、登り口を探す。ホテル跡地に低く張られたロープを越え、数十m行くと左手に古びた鳥居がある。赤テープが2、3目に付くものの案内標識は何もない。とりあえず、ここから登ることにする。
 よく整備された道を4、5分登ると古びた案内標識があり、右:東海自然歩道、左:御正体山の文字が読みとれホッとする。

 登山道は下草や枝が刈られ、とても歩きやすい。足下から前へ伸びる自身の影を見ながら峠への急坂を登る。
 石割山分岐への登りにさしかかる辺りから、登山道は長く伸びた草や枝に覆われ、前日の雨とも相まってとてつもなく歩きにくい。登り初めからこんな状態だったら、登るのを大いにためらっただろう。腰にビニールの風呂敷を巻くが、ほとんど役立たずの感じである。

 石割山分岐で一休みし、トリカブト、シオガマ、トラノオ等々(花名は全く自信なし)が両端に咲き乱れる道を中岳へ向かう。途中、送電線鉄塔の辺りで、突然視界が開け、左に杓子山、鹿留山等が間近に見える。振り返ると菰釣山等西丹沢の山並みが連なっている(山名も自信なし)。

 所々、笹などで登山道が覆われているものの、迷う心配はない、比較的歩きやすい道だ。前岳の頂から木の間越しに御正体山が大きく見える。少し下って登り返した辺りで掌大のカエルが目の前をのそのそと横切る。

 山頂10mほど手前で、今日初めて登山者(2人連れ、夫婦?)と出会う。白井平より登り、山伏峠へ降りると言う。腰に巻いたビニールを見て「ひどいですか?」と聞かれる。石割山分岐後は、さほどのこともなかったのだが、先が分からず、気にもならなかったのでそのままにしていた旨などを伝える。

 山頂は広々しているが、周囲は木立に阻まれ展望はない。一等三角点と山梨百名山の標識が目立つ。
 頂上でガスコンロの準備をしていると、三輪神社方面から半ズボンの単独行の男性が来た。私と同じくピストン山行だと言う。相模原から来たらしい。食事をしながら、丹沢・道志・富士山周辺など近辺の山行体験を互いに話す。

 ピストンは好きではないが、来た道を引き返すのは様子が分かっているだけに気は楽だ。山行の3割ほどは単独行なのだが、性分なのかいつも不安がつきまとう。おだやかな天気の中、静かな山道をひとりでのんびり歩くのもいいものだ。この夏は、白馬、富士山、北八ヶ岳とにぎやかな山ばかりだったので、よけいそう思うのかもしれない。

 中岳の頂上で7、8人(男女)の中高年パーティーが敷物をして、輪になり楽しそうに食事をしていた。「一緒に食べません?」と声を掛けていただく。御正体山でたっぷりと食事をしたばかりでもあったが、久しぶりにしっとりとした単独行の良さを味わっていただけに、楽しそうなお仲間の中に入れて頂くのは違和感があり遠慮した。

 周囲が開けた鉄塔付近でしばし展望を楽しむ。
 石割山分岐で、草刈り機の丸歯を研いでいるお二人と言葉を交わす。「今朝、山伏峠からしばらくは下草が刈られとても歩きやすかったが、この分岐への登りには難儀した」「いっぺんには刈れないからナ、この先はどうだった?」「数カ所、笹などに覆われ道が全く見えないところもあるが、ここまでの登りが一番苦労した、登り口からいきなりだったら、止めていたと思う。ありがとうございました」「もう帰るの? まだ刈ったばかりの草で滑りやすいから気を付けて」
 朝とは大違い、すっかり歩きやすくなった道を、山伏峠へと下る。草を刈っていただいた方々に心から感謝する。

 ホテル跡地のロープ前には、10台近くも駐車してあり、満車状態。着いたのも、帰るのも一番のようだ。
 5分ほどで石割の湯に着く。第三駐車場まで満杯状態。浴室はさほどではないが、休憩室は満杯。少し横になりたかったが、あきらめた。汗を流すだけで700円(村民は300円)はちょっと高い気がした。