山 名 白馬岳(2932m),鑓ヶ岳(2903m)
山行日 1999年7月17〜19日
同行者 会社の山仲間(男4人,女3人)
歩行時間 5時間30分,8時間(大休止除く)
コース 猿倉→白馬岳→鑓ヶ岳→鑓温泉→猿倉

行 程(99/7/18)
場 所 着時刻 発時刻
猿倉荘 宿泊 6:00
白馬尻荘 6:55 7:08
雪渓取付 7:30 7:35
葱平 9:40 10:03
頂上宿舎 11:08 12:10
白馬山荘 12:30 宿泊
白馬岳山頂 13:53 14:40

参考資料 【日本百名山登山ガイド(下)】山と渓谷社 1992/9/10 初版
ホームページ 白馬村 -公式サイト- 白馬連峰登山ガイド・モデルコース,山小屋・温泉案内等々
白馬早起き鳥 ペンション早起き鳥のHP.白馬山麓登山情報はじめ情報満載
案内 白馬岳なんでも相談所:03-3214-6095,0261-72-3000
マイカー 猿倉荘前とその下の河原に駐車場有り                        アクセスカウンター

【白馬岳】猿倉から大雪渓を登り鑓温泉へ下る山行記

 猿倉から大雪渓を登り白馬山荘に泊まる.鑓温泉経由で猿倉に戻る周遊の山行記.お花畑と白馬山頂からの大展望そして日本一高所の鑓温泉での露天風呂と盛りだくさんに楽しんだ山歩きでした.

白馬山荘より杓子岳と鑓ヶ岳

白馬岳山頂より三国境方面

 17日朝9時過ぎに,集合場所の会社(焼津市)を出発する.山行きとしては珍しく遅い出発だ.17日は移動だけ.少しもったいないような気もするが,たまには贅沢日程の山行もいいだろう.午後3時頃,登山口の猿倉荘に着いた.

 18日は4時半起床.雨模様であり意気が上がらない.ゆっくりと朝食をとり,雨支度をして6時に猿倉荘を出発する.樹林の中をほんのひと登りすると林道に出る.右下方に泡をたてて流れる沢が白い帯状に見える.あいにくの天気ではあるが,行く手の雲の切れ間から時折,白馬岳北東の小蓮華尾根が姿を見せる.見上げる岩峰に高揚を覚える.

 林道終点から20分ほどで登山客でごったがえす白馬尻荘についた.小屋の近くに,キヌガサソウが群生していた.
 白馬尻荘をでると30分足らずで雪渓の登り口だ.4本爪の軽アイゼンを装着する.見上げるとガスのかかった彼方まで雪渓が続いている.登山者が一列になって登っている.気持ちを引き締めて登りはじめる.

キヌガサソウ

 雪渓を登りはじめて1時間半ほどした頃,左手の杓子岳の方から落石の轟音が聞こえてきた.不気味である.付近には岩が散在している.これらも上から落ちてきた石なのだろう.雪の上を転がる落石は音をたてないので怖いそうだ.
 この頃からN.K.さんが遅れ気味になる.N.K.さんは地元の高草山(501m)に毎年50回以上も登り,わがパーティーの中で自他共に一番の健脚と目されていたのだが,低山とは勝手が違うようだ.アイゼンに慣れていないのかもしれない.

 葱平で後続を待ち休憩.シナノキンバイやミヤマオダマキなどの花々が春真っ盛りと咲き乱れている.見下ろすと雪渓を登ってくる人の列がカラフルな糸のように見える.左手には杓子岳の岩峰がそびえている.
 全員そろってしばらくしてから出発.しかし,隊列はすぐに間延びする.迷うことのない一本道だし,他の登山者も多いことからそれぞれのペースで登ることにする.

葱平

ミヤマキンバイ

ミヤマシオガマ

ウルップソウ

イワベンケイ

 村営の頂上宿舎でラーメンを食べ,コーヒーを飲み終えた頃,N.K.さんが思ったよりも元気な顔で到着する.N.K.さんもラーメンを注文する.ここまでくれば急ぐこともない,全員揃って白馬山荘に向かう.
 道の両側にウルップソウ・オヤマノエンドウ・ミヤマシオガマなどさまざまな高山植物が咲き誇っている.買ったばかりの100mmマクロレンズで花の写真を撮りまくる.三脚は重いので持ってこなかったので出来映えはあまり期待できない.

 白馬山荘で手続きを済ませ,部屋に落ち着いてからしばらくすると天気がやや回復してきた.皆で揃って山頂に向かう.明日,歩く予定の杓子岳から鑓ヶ岳に通じる稜線がはっきりと見える.目前の旭岳の左に毛勝三山が見え,雲海上には立山連峰と剱岳も望める.雨の中を登ってきただけに,望外の展望に時間が経つのを忘れて見とれていた.

立山連峰と剱岳

白馬岳山頂

 19日,今日も雨模様である.雨支度をしてしばらく様子をみていたが,意を決し予定より30分遅れの,6時半に出発する.あいにくの天気なので杓子岳を迂回し鑓ヶ岳に向かう.
 鑓ヶ岳の登りにかかる辺りはオダマキやハクサンイチゲの大群落地だ.
 振り返るとガスの中に白馬岳が見え隠れしている.稜線に出ると正面に剣岳が姿を現した.

鑓ヶ岳山頂

 鑓ヶ岳山頂からは杓子岳の左に向かい合って聳える白馬岳と旭岳が雲の上に頂を出している.もう少し雲がとれてくれれば申し分ないのだが,雨天としては上出来だろう.

鑓ヶ岳山頂より白馬岳

ハクサンコザクラ

コバイケイソウ

 鑓温泉の手前のひらけた沢の雪渓にスノーボートに乗せられたけが人が救助隊の人たちに囲まれていた.ヘリコプターでも待っているのだろうか?
 鑓温泉で風呂に入ったのは男性2人と女性1名だけだ.この先まだ3時間以上も歩かねばならないので敬遠したのだろう.日本一高所の温泉だそうだ.滅多に来られないのだから入らない手はないと思うのだが・・・..
 もちろん湯船は男女別.男の方は全く目隠しがなく広々とした展望を見下ろすことができるが,女性の方は簾でびっしり囲われた狭そうな所であり,遠丸籠の中での入浴を連想してしまう.これで同じ300円は気の毒な感じである.

 ゴウゴウと流れ込む湯が浴そうからあふれ,湯気を立てながら眼下の雪渓の方へ流れ落ちていく,目の前に広がる雄大な景色を眺めながらゆったりと入る温泉は堪えられない.
 直ぐ下の広場で仲間が食事をしているのが見える.逆を言えば見上げる彼らからもわれわれは丸見えということだ.後日,写真をもらったが,そばにいたオッサンのは丸見えに写っていた.浴槽から出て生まれたままの姿で仁王立ちし大展望を見たくなる気持ちは分かるが,見せられる人の大迷惑も考えねばならない.

 山頂から15分ほどで鑓温泉への分岐だ.左に折れ,急斜面を大出原に向けて下る.傾斜がゆるやかになると残雪が目立つようになり,雪田の消えた後にはハクサンコザクラなどさまざまな高山植物が咲いていた.

大出原付近

 風呂に入りさっぱりしてしまうと,歩くのが億劫になるが下山しないわけには行かない.ゆるやかな雪渓の斜面を赤印に添って下る.キヌガサソウの大群落地を抜け,杓子沢辺りになるとタテヤマウツボグサが目につきだす.
 雷岩を通過すると今度はニッコウキスゲが咲いていた,樹林の中にはいると鳥のさえずりが耳につきだす.林道に出て10分ほどで猿倉荘に到着した.到着後まもなく,激しい雨が降り出した.間一髪の所だったと胸をなで下ろした.

オオバミゾホオズキ

シロウマタンポポ

行 程(99/7/19)
場 所 着時刻 発時刻
白馬山荘 宿泊 6:30
鑓ヶ岳山頂 8:36 8:55
鑓温泉 11:10 12:10
杓子沢 12:55   
猿倉荘 15:30   
更新:2013/08/22