行  程
場 所 着時刻 発時刻
 桜坂駐車場 9:20 9:26
 ヌクビ沢出合 10:27 10:33
 稜線 13:40
 割引岳 13:47 13:54
 巻機山 14:12 14:21
 ニセ巻機山 14:41
 六合目展望台 15:13 15:15
 三合目(骨折地点) 15:47
  桜坂駐車場 15:55

【巻機山】下山口直前で痛恨の骨折

山 名  割引岳、巻機山
山行日  1998年8月17日
天 候  小雨後曇
同行者  いつもの山の仲間
行動時間  7時間30分(含休憩時間)
コース  桜坂駐車場→割引沢→ヌクビ沢→割引岳→巻機山→ニセ巻機山→六合目展望台→桜坂駐車場
  越後の名峰めぐり3日目、スリルある小雨のヌクビ沢を登り、割引岳、巻機山と順調に登頂.。調子よく下った下山口直前で足首をひねり痛恨の骨折。
一浴温泉情報                                  アクセスカウンター
六日町中央温泉
共同浴場
TEL:0257-73-3434 11:00-23:00 \250  六日町の駅からほど近い場所にある温泉銭湯。建物は近年建て直されたようだが、50年もの歴史ある銭湯だそうだ。浴槽は3-4人用だが、お湯は豊富に注がれている。

割引岳山頂より巻機本峰を望む

 8/15 平ヶ岳、8/16 駒ヶ岳と天候に恵まれなかったが、今日も雨だ。沈みがちな気持ちのまま駒の湯山荘を後にして登山口の桜坂駐車場に向かう。雨のヌクビ沢コースは危険とのことで、今日の登山を断念するメンバーも少なくない。

 登山口を出発したのは9時半近かった。すぐに井戸尾根コースを右に分け、われわれは左の沢コースへと進む。樹林の中を30分ほど歩くと沢の音が聞こえ突然、左手に白く泡立ちながら滑り落ちる長い滝が現れる。沈みがちだった気持ちが見事な滝で一気に晴れた。道端にはカニコウモリや紫色が鮮やかなトリカブトが目に付く。正面に沢が見え、しばらくするとヌクビ沢出合いだ。ここからが本格的沢登りだ。
 幸い雨は小降りになったが、沢は水嵩を増しているようだ。時に、リーダーが地下足袋のまま沢に入り、道普請をしてくれるおかげで、さしたる苦労もせず徒渉はできたが、連続した鎖場もあり両手両脚を使っての緊張した沢登りが続く。水に磨かれた岩肌が怪しいほどに美しい。

ヌクビ沢の鎖場

行者の滝

 左に行者の滝を見てしばらくして昼食休憩となる。振り返ると、今、登ってきたV字に深く切れ込んだ谷の緑の斜面の間に彼方の山並みが墨絵のように浮かんでいる。さらに沢を登り詰め、超がつくほどの急斜面を三点確保で慎重によじ登ること20分、ようやく稜線に出た。4時間以上の悪戦苦闘、「あー怖かった!」誰も口には出さないが多分、みな同じ気持ちだっただろう。

 稜線に出て左へひと登りで一等三角点の割引岳山頂に着いた。雲海に頭を出した山々、360度の展望に大満足。

  明日登る予定の八海山もよく見える。引き返して、ヌクビ沢分岐を越えると緩やかな稜線上の木道になり、これまでとは大違いのルンルン気分の山歩きとなる。所々にリンドウが咲いている。森林限界上の緑の絨毯に覆われた草原を15分ほど行くと巻機山山頂。標柱があるだけの何の変哲もない広々した山頂だ。

割引岳山頂

  むしろそれを目撃した私のほの動揺が治まらず、歩調が乱れ先行者にどんどんと引き離されひとり旅となる。急に、山行3日目の疲れを感じる。リズムの乱れた脚に、連日の雨でぬかるんだU字状の下り路は非常に歩きにくい。三合目直前で、U字溝で左足が滑り倒れそうになるのを無理に立て直したため、左足首をひねる。「ポッキ!」枯れ枝の折れるような小さな音が聞こえた。嫌な予感はしたが、痛みはまったくない。念のため道端の枯れ木を拾って杖代わりにする。バスの待つ登山口までは7,8分だった。相変わらず痛みはない。杖を突いているのを見て、登らずに待っていてくれた仲間から「どうしたんですか?」と聞かれ、「捻挫したみたいだ」と応えた。

 山頂を後に、ニセ巻機山を経由して井戸尾根を下る。六合目展望台からは天狗岩とヌクビ沢がよく見える。あの沢を登ったのかと思うと我ながら感心する。

巻機山山頂

ニセ巻機山(左の頂)目指して

 五合目、四合目と調子よく駆け下ったのだが、目の前を行くM.Y.さんが突然、つんのめり藪の中に勢いよく突っ込む。幸い、おでこのたんこぶ程度で済み、直ぐに元気よく歩き出した。

六合目展望台よりヌクビ沢

 OAAの定宿、六日町温泉 「魚とし旅館(2012/3 倒産)」 に着くや、同行のT.Y.さんが「捻挫だとそんなに腫れないはず、骨折かもしれないから念のため診てもらった方がいい」と言う。痛みはまったくないが旅館の車で病院に送っていただく。3日連続の山行で、直ぐにでもくつろぎたいはずなのに、T.Y.さんが病院に付き添ってくれた。不安な自分にとってこれほどありがたいことはなかった。
 「立派な骨折です」 との医者の言葉に、ガックリ。ギブスと松葉杖で旅館に戻ると、宴会の真っ最中。ほとんどの仲間はそれを見てビックリ。休み明けの職場のことが頭から離れないが、考えたってしょうがない、務めて明るく振舞った。

更新日:2013/08/10