アケボノツツジのみごとな黒金尾根コース

【山 名】祖母山
【年月日】1997年5月1日(木)
【天 候】晴れ
【山 域】祖母・傾
【同行者】U.M.,O.A.
【コース】尾平→宮原→祖母山→黒金尾根→尾平
もみ志や旅館5:35→5:47吊橋→6:07 林道出合→6:17林道終点→6:35二合目6:40→6:47三合目→6:58四合目→7:16五合目→7:39六合目(宮原)7:50→8:087合目→8:369合目小屋8:57→9:12祖母山山頂10:16→11:18天狗ノ分かれ11:26→黒金尾根→川上渓谷→13:40もみ志や旅館


祖母山を振り返えり見る

 九州の山旅をするに当たり,Nifty 山のフォーラムで地元の方にいろいろとアドバイスを頂きました。百名山目当てで祖母山に登るには神原からの往復が多いようですが,尾平から黒金尾根を使っての周回コースを薦められました。おかげさまでとても充実した山登りができました。
 祖母山の登山口,尾平に向かう途中、岡城址に立ち寄った。本丸跡に登り、見下ろすと雨上がりで眩しく見える緑の森の向こうに、昨日登った久住山の山並みがうっすらとした墨絵のように浮かんでいた。荒城と新緑の森そして九重の山並み、いつまで見ていても飽きない眺めだ。
 尾平までの道はくねくねとしていて、運転しずらい道だ。なかなか旅館に着かない。心細くなったところで、突然もみ志や旅館が現れホッとする。
 もみ志や旅館の夕食はイワナの味噌蒸し・鹿刺などの料理が珍しかった。翌朝の食事時間を聞くと「何時でもいいですよ、4時からでも」とのこと、5時にお願いした。
 夕食後早々に床に入るも、寝付かれない。旅に出るといつものことなので、気にせず目をつぶりじっとしていることにする。U.M.さんは気持ちよさそうに寝入っているが、O.A.さんも眠れないようだ。明日の祖母山登山に緊張しているのだろう。
 泊まり客のほとんどの人と一緒に、予定通り5時から朝食。支度を整え、京都から来たというベテラン風男性4人のパーティーの後について、5時35分もみ志や旅館を出発。吊橋を渡り、20分ほどで林道にでた。林道は10分ほどで終点となり、左に曲がり少し下って沢に架かった丸木橋を渡る。

 数メートル置きに目印の赤テープが枝などに巻いてあり、迷う心配は全くない。どこを下っても良さそうであり、このテープはありがたかった。テープを巻いていただいた方々(三山会:??うろ覚え,間違っていたらごめんなさい)に感謝いたします。

 川上渓谷に出ると、昨日の大雨のせいか流れが急だ。岩伝いに渡るのがチョットためらわれる。慎重に渡る場所を選び、沢を何度か横切る。ようやく吊橋を渡り右岸に移る。これで沢渡りは終わりのはず、ホッとする。さらにしばらく下ると、左に朝渡った吊橋が見える。もみ志や旅館はもうすぐそこだ。



アクセスカウンター

 出発からちょうど1時間、2合目で初めての休憩をとる。3合目、4合目と、順調に高度を稼ぐ。前日の雨でさらに滑り易くなった急斜面を固定ロープに助けられ,登り切ったところが5合目。そこからはアケボノツツジが散見される快適な道であり、しばらく登ると宮原(6合目)に着いた。
 登山口からわれわれの少し前を歩いていた犬は帰ったのか、姿が見えない。と、思っていたら休憩を終え出発するとどこからともなくまた現れた。

祖母山々頂

アケボノツツジ林

 7合目を過ぎると、左前方に祖母山が姿を見せる。神原への分岐からほどなく、新装の九合目小屋に到着。頂上まで400mの表示が目に入る。ベテラン風4人のパーティーに引っ張られ、快調にここまで来ることができた。小屋の中をくまなく見回し、外で記念写真を撮る。先が見えホッとしたせいか、20分以上もゆっくりしてしまった。

 小屋を出て15分ほどで祖母山頂上。互いに感激の握手を交わし、喜びを分かち合う。頂上には信仰の山の証か、石の祠がどっしりと鎮座していた。縦走路の先に障子岳、古祖母山の頂稜がつながり、その遥か遠くに傾山が見える。登山口からの犬もとうとう頂上までついてきた。
 目を転ずれば、一昨日登った九重の山々の眺望も素晴らしい。昨日、小雨の中、頂上を窮めた阿蘇も見える。飽きることなく1時間以上、大パノラマを堪能し、京都の4人パーティーとも別れ、山頂を後にする。

 下りはじめてすぐ、切り立った岸壁を鎖や、鉄梯子に助けられ下る。ある梯子など、傾いているだけでなく下が固定されていないので、一段一段降る度に揺れる有り様。スリル満点である。

 昨日の雨で泥んこになったU字状の道をたどり見晴らしの良い台地に出てひと休み。振り返ると祖母山がそびえ立っている(最上段の写真)。あそこをよく下ったものだと我ながら感心する。

 天狗ノ分かれでひと休みした後、急な坂が延々と続く黒金尾根を一気に降る。数百メートルほど下ったところ辺りからアケボノツツジがいたるところに咲き乱れている。アケボノツツジのトンネルもある。今年は、花が1週間ほど早いという。天気は上々、なんとも運の良い山行である。

天狗の分れ付近

祖母山々頂より傾山(左)方面を望む

更新:2013/08/22