静岡OAA会報より抜粋

会報No.  97号 山行日 1996年3月10日
シリーズ名 富嶽百景(第95回) 報告者 漆佃幹雄さん
山 名 十牧山〜十枚荘温泉 私自身 参加
山行記  総勢33名。午前7時30分市役所前を出発して安倍街道をスムースに進み、六郎木から関の沢を経て登山口の中の段に8時30分到着しました。この日の天気予報は“晴れ”との事で喜んで出掛けましたが、残念ながら今にも降り出しそうな空模様に変っておりました。
 今年は何年振りかで静岡市街にも雪が降り驚きましたが、登り始めて分岐を過ぎた辺りから積雪が多くなりアイゼンを着けました。登るにつれ更に雪が多くなるとともに登りもきつくなり、11時30分ようやく十枚峠に到着し昼食となりました。
 峠から更に雪に覆われた笹原の斜面を30分程登り十枚山(1719m)頂上です。山頂は富士山を始め、南アルプスや駿河湾、伊豆半島等が眺望出来る素晴らしい所ですが、残念ながら視界はゼロの状態でした。しかし、辺りは一面の銀世界で雪に触れる機会のない私には貴重な体験となりました。記念写真を撮る頃から降り出した雪はちょっと強くなりましたが、十枚峠へ戻って山梨県側の成島林道を目指して下山を始めました。ところが登ってきた時とは比べ様にならない積雪で腰まで埋まり、道もまったく判らない程でした。
 リーダーが先頭を切って道なき道を雪をかき分け、佐藤さん、小川さんと交代でラッセルする姿に不安な気持ちも吹っ飛び、一時はどうなる事かと心配もしましたが、林道に降りる尾根ルートに出てここからは一気に雪道を下りました。林道に到着したのが15時30分でしたので、ここまで下るのに2時間30分程かかり、雪山の恐ろしさを身をもって体験することができました。十枚荘温泉までは林道を今まで登った山の思い出を語り合いながら1時間余かけて歩きました。
 十枚荘では舟形の風呂に入って汗を流しさっぱりしたところで、囲炉裏を囲んで甲州名物のほうとう鍋をつまみに、冷酒を呑みながら今日の出来事を語り合い、同じ趣味を持つ仲間が打ち解けて語り合う心安らぐ一時を過ごしました。
 私も縁あって昨年の10月に入会させていただき、鎌倉アルプスを始め竜爪山、真富士山に登ったばかりの浅い経験ですが、いずれも貴重な体験に本当によかったと思っております。老化は足から始まると言われております。今後とも積極的に参加させていただき体力作りと老化の防止に努めてまいりたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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十枚山山頂

十枚峠目指して

更新:2013/03/14