50歳代半ば、BSで放映した日本百名山を見て山に憧れ、山の会に入会した。すぐに東海自然歩道継歩の旅に参加、すでに全行程1500kmのうち会としては、半分ほどを歩き通していた。後を追うべく起点の高尾山から月数回、単独で東海自然歩道を歩きはじめた。自然歩道とはいえ、丹沢の焼山や畔ヶ丸・菰釣山など山歩きの連続である。それまで極端な運動嫌いであったが、おかげで急速に脚力がアップした。山歩きをはじめて半年、怖いもの知らずで、いきなり単独での白峰三山縦走を計画した。 |
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大樺沢二俣 |
北岳と間ノ岳は富士山に次いで日本で2番目と4番目に高い山、これに農鳥岳を加え白峰三山と呼ばれている。 計画時いろいろ調べてみると、山よりも夜叉神峠から広河原までの運転に不安を覚えた。 案ずるより産むがやすし、すれ違う車もなく難なく7時過ぎに広河原の駐車場に着いた。すでに多くの車が停まっていてたが、何とかスペースを見つけることができた。身支度を整え、7時半出発。樹林帯のゆるやかな登りが続き、いつもの低山歩きと違いはないと思ったが、二俣で眼前に見た北岳バットレスに一気にアルペン気分を呼び起こされる。大樺沢二俣でひと休み。 |
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二俣から右俣コースを取る。急登が続き、大展望を楽しむゆとりはない。白根御池コースと合流するとお花畑がみごとだがこれも愛でるゆとりはない。 13:15ころ宿泊予約した肩ノ小屋に到着。宿泊手続きを済ませひと休み後、空身で北岳山頂を往復する。甲斐駒、仙丈がしっかりと見通せる。肩ノ小屋への下山路で雷鳥の親子に出合う。 |
肩ノ小屋前 |
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北岳山頂、バックは仙丈ヶ岳 |
北岳下山時雷鳥の親子に出合う |
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北岳山荘と富士山 |
翌朝、6時前に肩ノ小屋を出る。残念ながら山頂は、ガスにまかれて展望なし。しばらく待ったが晴れる様子はなく山頂を後にしたが、北岳山荘に着く頃には、ガスはすっかりなくなり富士山も望めるようになる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北岳山荘からはハイマツの尾根をゆるやかに登る。中白峰の頂から振り返ると北岳の雄姿が望める。3000mの稜線漫歩、肩ノ小屋から3時間余り、間ノ岳の山頂に立つ。来し方に北岳・甲斐駒、行く手に農鳥、塩見・荒川も良く見える。 | 間ノ岳山頂、バックは北岳 |
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間ノ岳山頂左より荒川岳、赤石岳、塩見岳 |
小1時間ほど大展望をぼーと眺め農鳥小屋に向かう。間ノ岳山頂を後に主稜線を南下すると、稜線上に赤い屋根の農鳥小屋、その先に西農鳥岳、農鳥岳と連なる尾根が一望できる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
間ノ岳山頂付近より農鳥小屋から西農鳥岳〜農鳥岳への稜線、右奥は荒川岳、赤石岳 |
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農鳥小屋に10時半頃到着、一番乗りだ。小屋の主人に「ご褒美に一番いい場所にしてあげる」と案内されたが、何が一番かよく分からなかった。寝場所を確認して一段落したところで、農鳥岳に向かう。 小屋からすぐに急登となる。ハイマツの尾根をひと頑張り、振り返ると間ノ岳が一望でき尾根上にポツリと農鳥小屋の赤屋根が見える。 |
西農鳥岳中腹より間ノ岳を振り返る |
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農鳥岳山頂 |
露岩の尾根を下り登り返すと農鳥岳山頂、ついに白峰三山の頂を踏むことが出来た。ひとり感動に浸り、30分以上至福の時間を過ごし、山頂を後に往路を戻る。午後になっても展望が楽しめる稜線をのんびりと農鳥小屋に向かう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
翌朝は5時半に小屋を出る。間ノ岳山頂は、昨日同様、今日も360度の大展望、中央アルプスもしっかりと見渡せる。コーヒーを入れ、心行くまで展望を楽しみながら白峰三山登頂の達成感を味わう。アッと言う間に1時間、後ろ髪を引かれる思いで山頂を後にする。 北岳山荘から八本歯のコルを経由、次々と登ってくるハイカーに梯子や鎖を譲るため思いのほか時間がかかる。二俣からは往路を戻り1時ころ広河原へ着いた。帰路の林道も様子が分かっているのでほとんど緊張することなく夜叉神峠に出られた。 |
間ノ岳山頂、バックは中央アルプス |
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間ノ岳山頂より北岳とその左奥に甲斐駒ヶ岳を望む |
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